「状況によっては勤務時間より前後する場合もあり」といった文言を雇用契約書に追加しても大丈夫なのか
読者のみなさまこんにちは。毎日天然アフロの當間です^^もふもふ
クライアント様からこんな質問を受けました
Q:勤務時間が通常5時間だけど、暇だから4時間半だったり4時間だったりと変わる場合、雇用契約書に、例えば「状況によっては勤務時間より前後する場合もあり」みたいな文言を追加することは大丈夫ですか。
結論からいうと、「状況によっては勤務時間より前後する場合もあり」といった文言を雇用契約書に追加し、会社都合で所定労働時間より早く帰宅させるような運用は、労働関係法令上、複数のリスクを伴う場合があります。
・労働基準法第15条(労働条件の明示)に関するリスク
労働基準法第15条および同法施行規則第5条において、使用者は労働契約の締結に際し、「始業及び終業の時刻」を明確に提示する義務があります。
「状況によっては前後する場合がある」という表現では、始業・終業の時刻が客観的に特定されているとは言い難く、労働条件の明示義務違反とみなされるおそれがあります。
・労働基準法第26条(休業手当)に関するリスク
雇用契約上「1日5時間勤務」と定めているにもかかわらず、その日の業務量が少ないなどの会社側の都合で4時間30分で帰らせる場合、短縮された30分間は「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当します。
この場合、労働基準法第26条に基づき、会社は当該時間に対して平均賃金の6割以上の「休業手当」を支払う義務が生じます。
次に、実務上の留意点を挙げてみます。
・曖昧な表現による労使トラブルの懸念
「状況によっては」という表現は、「誰の都合によるものか」「どのような条件で変動するのか」が極めて不明確です。
このような曖昧さは、労働者側からの「不当な早上がりを強要された」「労働時間が保障されていない」といった不満を招きやすく、結果として未払賃金請求などの深刻な労使トラブルに発展する可能性が高まります。
・実労働時間分のみの賃金支払いにおける法的問題
時給制や日給制の場合、「実際に働いた分だけ支払えばよい」と誤解されがちですが、労働者が雇用契約で約束した労働時間を提供できる状態にあったにもかかわらず、会社が業務を提供しなかった場合、民法第536条第2項に基づき、労働者は満額の賃金請求権を失わないとされる可能性があります。
仮に休業手当(6割以上)すら支払わず、実際の労働時間分のみの支払いとした場合、法令違反として是正勧告の対象となるリスクがあります。
では、適切な対応策としてどのようなことが挙げられるのでしょうか。
たとえば、業務量に応じて労働時間が変動することが想定される場合、次のような方法があります。
・シフト制の導入
日によって労働時間が変わる場合は、シフト制での契約が適しています。
雇用契約書には「始業・終業の時刻はシフト表により定める」と記載した上で、「シフトの作成手順」「通知時期」「シフト確定後の変更ルール」などを就業規則や雇用契約書に明確に規定する方法です。
・所定労働時間の見直しと延長対応
あらかじめ「確実に発生する業務量」に合わせて所定労働時間を短め(例えば4時間30分)に設定しておきます。
その上で、業務量が多い日には、本人の同意を得た上で時間外労働(残業)として追加で勤務してもらう運用とすることで、休業手当発生のリスクを抑えることができます。
労働時間や賃金(休業手当を含む)に関する取り決めが不明確なまま運用を続けた場合、退職時等に労働者との間で紛争が生じるケースが散見されています。
万が一、未払残業代や休業手当を巡る重大な労使紛争に発展した場合には、当事者間での解決が困難となり、特定社会保険労務士によるあっせん代理や、弁護士へのご相談・対応が必要となる可能性も出てきます。
事前の適切な労務管理が会社を守るために極めて重要となるのです。
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いつも行ってるキャンプ場近くにある「サキシマスオウノキ」
西表島のサキシマスオウノキは有名ですが、本島にあるこれもまた立派
ひっそりと、しかしながら、雄大にたたずんでいる雰囲気が大好きです^^